【イベントレポート】GVH Demo Day 2017 Spring for U-29

若いアイデアと行動力。これからの大阪を盛り上げる力となるか?

2017年4月27日、29歳以下の起業家を対象としたビジネス発表会が、グランフロント大阪で開催されました。
大阪でスタートアップが集まるシェアオフィス、GVH(グローバルベンチャーハビタット)は、今までも入居企業を対象とした発表会(Demo Dayと呼びます)を開いており、通算5回目となります。今回のDemo Dayは「for U-29」と題し、29歳以下の若手起業家や学生の事業発表に加え、最近資金調達に成功した先輩起業家を迎えて、スタートアップならではの悩みや課題についてアドバイスをもらいました。

オープニングはアメリカの先行事例の紹介から

限定企業の発表会といっても、その視線は世界を向いています。GVHを運営する株式会社サンブリッジ グローバルベンチャーズの牧野成将氏は、先週ニューヨーク・ピッツバーグのスタートアップ事情を視察してきたところです。同行してレポートしたGVHサポーター会員、マーケティングプロデューサーの西山裕子と共に、最新事情を紹介しました。

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ニューヨーク訪問後に向かった、ハードウェアカップ開催地のピッツバーグでも、スタートアップを取り巻く環境は充実していました。かつて鉄鋼業が栄えたピッツバーグは、安い輸入品の攻勢により大打撃を受けましたが、官民学一体となって新産業育成のために取り組んだ結果、ITやロボットなど先端産業が発達し、GoogleやUberなどがオフィスを構え実験的な活動をするようになってきました。多くの製造業がある大阪も、学ぶところが多そうです。

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発表1. 現役大学生が運営する「セールスバイトcom」

さて、Demo Dayとしてまず発表したのは、営業に特化してアルバイトやインターンの求人情報を大学生に提供する、「セールスバイト.com」の営業部長、和氣裕弥氏。現役の大学生でもあります。

新卒の90%は、営業は嫌で避けたいと思っており、ノルマがあるなどマイナスのイメージを持っています。しかし、学生時代に営業体験を積むことで、社会への接点や理解を増やし、スキルや知識を上げることを同社は目指しています。

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現在の悩みは、登録企業を増やすことの困難さ。特に東京と比べて、関西はインターンを受け入れる企業自体が少なく、キャリアバイトに掲載されているインターンは、東京は431件なのに大阪は96件しかありません。

まず理解してもらう、小さなところからやってみる

先輩としてアドバイスしたのは、Gochiso株式会社 取締役のKina Jackson氏です。登録している飲食店に予約したら、飲食代の一部がNPOに寄付されるという社会性のあるビジネスを始めた会社です。2017年12月に梅田ファンドより資金調達をし、サービス開始に向け現在最終段階に入っています。

Kinaよりコメントです。

「サービスの発想は、とても良いと思います。アメリカから日本に留学し、企業でインターンをしようとしたのですが、ほとんど受け入れがないことに驚きました。アメリカでは、どこでもインターンをしているので。」

「登録企業を増やすのは、大変でしょう。私たちも、予約をしたらNPOに寄付されるというモデルが、なかなか飲食店に理解されません。寄付文化が日本にはあまりないので。」

「直接当たって説明してはどうでしょうか。地元の小さな企業でも。実績を作っていくしかない。私たちもそうやっています」

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発表2.オタク文化の発信・イベント企画

次は、アニメやコスプレなど日本のオタク文化のコミュニティを運営する、株式会社オタクラウド    代表取締役社長の茶木盛暢氏です。現在、コスプレ制作マッチングサービス[narikiri] を企画準備しています。アニメをはじめとした、オタクのイベントを多数開催する中で、好きなキャラクターになりきるためのコスプレ衣装が手に入りにくく、偽物や劣化品が後を絶たないことを実感しました。そこで、コスプレの作り手と買い手をつなぐ、C-to-C(Consumer to consumer)のサービスを企画しています。

悩みとしては、シリーズAの資金調達を目指しているが、今まで会社組織として整備が十分ではなかった。いつからどのように改善すべきか?成長するにはどういう人材が必要か?サイトを広めるにはどうすればよいか?などです。

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将来を見据えて土台をしっかり作る

回答したのは、ヤムスクロール株式会社 共同創業者/CEOの水上翔太氏。同社も梅田スタートアップファンド1号等より、資金調達をしました。

「創業しばらくは、組織が流動的なのは仕方ないでしょう。しかしベンチャーキャピタルや公的資金を受けようとすると、法令順守をしているかを確認されるので、事業を大きくしたいなら早めに整備しておく方が良いでしょう。」

「創業メンバーの次に必要なのは、そのサービスの核となる人材。会社によって異なりますが、ネオタクの場合は、サービスを魅力的に伝えるコンテンツ強化が必要なのでは。たとえばカメラマンやライターなど・・・」

「以前運営していたサイトでは、認知度を上げるためにいろいろと試みました。広告費もかけられませんし、従来の紙媒体はネットサービスへつながりにくいので、ニュースサイトで紹介されるようにしました。大手ではなく、小さなキュレーションサイトで紹介してもらい、少しずつ広がっていきました。」

 

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発表会の後は、ネットワークパーティです。先輩起業家以外にも、事業会社や支援企業などが交流し、率直に感想やアドバイスを述べ合いました。

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「今回、一歩前にいる先輩にアドバイスいただいたのは、とても有益だったと思います。先輩起業家も、より大きな成功を実現して、さらに先を目指してください。そして今日発表した企業が、後輩起業家にアドバイスする、そんなエコシステムをここ大阪でもぜひ作っていきましょう。」牧野氏の思いは、ニューヨークにもピッツバーグにも負けず、この日、熱く響きました。

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レポート:GVHサポーター会員 マーケティングPRプロデューサー 西山裕子

写真:GVHサポーター会員 マーケティングPRプロデューサー 西山裕子/株式会社サンブリッジ グローバルベンチャーズ 川辺